ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える

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内容紹介

 
未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった——。

「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。
消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。

生命、自然、生と死、共生と敵対。
いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。

(四六判並製/192頁)

 

著者紹介

伊藤 亜紗(いとう・あさ)
1979 年生まれ。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター、リベラルアーツ研究教育院准教授。専門は美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を取得(文学)。
主な著作に『手の倫理』(講談社メチエ)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)など。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017、第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody 賞(2020)受賞。

奥野 克巳(おくの・かつみ)
1962年生まれ。20歳でメキシコ・シエラマドレ山脈先住民テペワノの村に滞在し、バングラデシュで上座部仏教の僧となり、トルコのクルディスタンを旅し、インドネシアを一年間経巡った後に文化人類学を専攻。1994~95年に東南アジア・ボルネオ島焼畑民カリスのシャーマニズムと呪術の調査研究、2006年以降、同島の狩猟民プナンとともに学んでいる。現在、立教大学異文化コミュニケーション学部教授。
著作に、『モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が学んだこと』、『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(以上、亜紀書房)、『マンガ人類学講義』など多数。共訳書に、エドゥアルド・コー
ン著『森は考える』、レーン・ウィラースレフ著『ソウル・ハンターズ』、ティム・
インゴルド著『人類学とは何か』(以上、亜紀書房)など。

吉村 萬壱(よしむら・まんいち)
1961年愛媛県生まれ、大阪府育ち。1997年、「国営巨大浴場の午後」で京都大学新聞社新人文学賞受賞。2001年、『クチュクチュバーン』で文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で芥川賞受賞。2016年、『臣女』で島清恋愛文学賞受賞。 最新作に『出来事』(鳥影社)。

 

発売日

2020年11月18日