【10月新刊】秋田——環日本海文明への扉

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内容紹介

【推薦】中沢新一さん
「列島の北の果て、日本の奥の奥へとつながっている秋田は、一つの独自の宇宙をつくりなしてきた。そこを原郷とする写真論の思想家は、愛情をこめて、土地の細かな襞々を克明にたどり、忘れられかけた歴史の記憶を呼び覚ましながら、広大にして深々とした、魂の秋田ジオラマを描き出した。」


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古来、蝦夷と大和朝廷の境界に位置した秋田は、松尾芭蕉が『奥の細道』で辿り着いた北の到達点にして、日本海特有の哀愁を漂わせる、歌枕の聖地であった。

北限の秋田。先は魑魅魍魎が跋扈する未開の地……
しかし、「文明」の行き止まりとされたその地こそ、日本海以北の海を挟んで、大陸や島々の人々が行き交う北方民族たちの文化ネットワークへの玄関口であった。

異国から来訪する「マレビト」が起動する文化変容。
厳寒の雪国で洗練されていく精神と美意識。
従来の枠を超えて美術/写真史を論じてきた美術史家が、故郷・秋田を歩きながら、その風土の深層へと分け入り、日本文化の底流にある異形の風景を鮮やかに現前させる。
日本のもうひとつのルーツを解き明かす「裏日本史」。

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目次

第①章 旅する光陰──その奥の奥の細道──
第②章 北海の彼方へ──流刑地民族学の視点から──
第③章 雪国の民俗──伝承の意味──
第④章 縄文の粒子──四次元の秋田──
第⑤章 宇宙から降るデザイン──雪の家から秋田工芸まで──
第⑥章 秋田原郷──その風土と世界性──
第⑦章 秋田街道を超えて──雪の果ての銀河──
第⑧章 白い神々の憑依──オシラサマとシャーマニズム──
第⑨章 春くる鬼──異人たちの饗宴──
第⑩章 風の身体──土と光の記譜法──

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著者紹介

【著】伊藤 俊治(いとう・としはる)
1953年秋田県土崎生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了。東京藝術大学名誉教授。専門の美術史・写真史の枠を越え、アートとサイエンス、テクノロジーが交差する視点から多角的な評論活動を行う。『ジオラマ論』(リブロポート、ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞を受賞。展覧会企画に「日本の知覚」(グラーツ)、「移動する聖地」(ICC)、「記憶/記録の漂流者たち」(東京都写真美術館)など。著書に『写真都市』 (冬樹社)、『トランス・シティファイル』(INAX)、『生体廃虚論』(リブロポート)、『電子美術論』(NTT出版)、『バリ芸術をつくった男』(平凡社新書)、『増補 20世紀写真史』(ちくま学芸文庫)、『バウハウス百年百図譜』(牛若丸)ほか多数。

【写真】石川 直樹(いしかわ・なおき)
1977年東京世田谷生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学への関心を深め、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表する。2008年『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞、2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞、2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)、『地上に星座をつくる』(新潮社)ほか多数。

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(A5判並製/320頁+カラー64頁)

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発売日

2024年10月18日