内容紹介
いびつで不完全で、愛おしい
だから人間は面白い
暗い深みへと惹かれていくダイビング、ゴミ捨て場漁りの愉しみ、女の足の小指を切る夢、幼い頃の小さな、つぐなうことのできない「失敗」……。
『臣女』『ボラード病』の芥川賞作家が、何気ない日常の奥にひそむ「世界のありのまま」をまっすぐにみつめる。人間への尽きない興味と優しさに溢れたエッセイ集。
「普通に暮らしていられるだけで、人は幸せな筈である。
しかし誰でも、今いる場所よりずっと深くて暗い世界へと下りていきたいという衝動を、多かれ少なかれ持っているのではあるまいか。浅い海で光に包まれながら何となく満たされないのは、沢山の光に紛れて光そのものが見えなくなっているからかも知れない。」(本文より)
(四六判変形簡易フランス装/134頁)