【9/24発売】ドイツ戦後史 1945–1955——瓦礫の上の民主主義

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◤なぜドイツ人はファシズムと決別できたのか◢

だれもが略奪に加わった戦後数年間を、人々は「狼の時代」と呼んだ。
権力に空白が生じた、その秩序なき時代に、
人は互いに反目し、猜疑の目を向けながらも
新しい道徳、自由、平等を作り出していった。

ドイツを改変しようする戦勝国の思惑を超え
清濁を合わせのみながら民主主義を紡いでいく、
その光と闇を克明に描き出すベストセラー。


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◤第二次大戦は、ドイツの都市を瓦礫の山と化した。
そこは、新しい社会を築くための実験場となった。◢


廃墟を片付ける女性たちの自立と連帯、
ダンスや恋愛に興じ、刹那を生きる都市文化の広がり、
闇市をしたたかに生き抜く子供たち……
飢えと暴力が深刻化する極限の状況においても
ドイツの民衆は、日々を生き延びる活力を失わなかった。

アメリカ、ソ連の文化政策を激しく拒絶し、
自身の責任から目を逸らしながらも
ドイツ人はやがて、身の回りの変革を通して
自己の精神を変革し、新しい文化を育んでいった。

後の世代から厳しく非難され、これまで顧みられることがなかった戦後の数年間。
豊富な資料をひもとき、市井の人々の暮らしに目を向け、
その時代が宿していた新たな社会の萌芽を見出して
国内外から高い評価を受けたベストセラー。


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【目次】
はじめに
1.零時?
2.廃墟
3.大移動
4.ダンスへの熱狂
5.リーベ一九四七
6.盗み、配給、闇市場の取引──市場経済へのレッスン
7.経済の奇跡と不道徳の不安
8.再教育者たち
9.芸術と民主主義のデザインの冷戦
10.抑圧の音
あとがき 幸福
謝辞
訳者あとがき

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著者紹介

【著】ハラルト・イェーナー(Harald Jähner)
ジャーナリスト。ベルリン芸術大学名誉教授。2015年まで日刊紙「ベルリン・ツァイトゥング」の責任者を務める。著者にベストセラーとなりイギリス、アメリカ、フランスなど各国で翻訳され話題を集めたWolfzeit: Deutschland und die Deutschen 1945 - 1955Höhenrausch: Das kurze Leben zwischen den Kriegenがある。

【訳】森内 薫(Kaoru Moriuchi)
翻訳家。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。主な訳書に、ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』、『空腹ねずみと満腹ねずみ』、アネッテ・ヘス『レストラン「ドイツ亭」』、マリー・ムーティエ『ドイツ国防軍兵士たちの100通の手紙』(以上、河出書房新社)、ブルンヒルデ・ポムゼルほか『ゲッベルスと私』(共訳、紀伊國屋書店)、マイケル・ボーンスタイン『4歳の僕はこうしてアウシュヴィッツから生還した』(NHK出版)、ダニエル・ジェイムズ・ブラウン『遥かなる山に向かって——日系アメリカ人二世たちの第二次世界大戦』(みすず書房)、マイケル・イースター『満足できない脳——私たちが「もっと」を求める本当の理由』(東洋経済新報社)ほか多数。

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・亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズV-4

・四六判・並製