平安京が生んだ聖と賎。
京都の日文研に長くつとめる宗教学者が、
多くの歴史研究者との協業のもとに書き上げた、
日本の差別の根源に迫る渾身の「京都/差別論」。
*****
人はなぜ人を差別するのか──
小さな頃から著者が胸に抱き続けたその疑問は、
部落差別に長年くるしみ続ける人びとと出会った時、
どうしても解き明かさねばならない問いへと変わった。
天皇を中心とする都市の清浄な秩序を回復するために、
禁忌を背負わされ、「穢れ」と共に排除された者たち。
神仏を求めざるをえなかった人びとの、
信仰の対象としての寺社、仏像に向き合い、
様々な史料を渉猟して書き上げた、もう一つの京都の実像。
写真:吉田亮人
*****
【目次】
はじめに──もうひとつの京都へ
序章 境界 五条橋──異界へのいざない
第一章 殺生 六条河原──河原者のつぶやき
第二章 病 弓矢町──救いをもたらす信仰
第三章 死 六道の辻──往生という欲望
第四章 平等 清水寺──差別しているのは誰なのか
終章 「人間失格」──声を発する資格
あとがき
注
******
【著】磯前順一(いそまえ・じゅんいち)
一九六一年水戸生まれ。宗教学者。東京大学大学院人文科学研究科宗教学専攻博士課程中退。博士(文学)。国際日本文化研究センター教授。主な著書に『近代日本の宗教言説とその系譜』(岩波書店)、『閾の思考』(法政大学出版局)、『死者のざわめき』(河出書房新社)、『昭和・平成精神史』(講談社)、『新・学問のすすめ 研究者失格!』(白水社)、シリーズ「宗教と差別」(法藏館)ほか多数。
******
- 発売日:2026年2月18日
- 四六判・並製/432頁