幸いなるハリー

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内容紹介

老い、病、性のきらめき、言えなかった秘密、後戻りのできない人生の選択。
「世界最高の短篇作家」による珠玉の10作品。




人生には完璧な絶望も、澄みきった希望もない。
パールマンの短篇集にちりばめられた無言の種は、あなたのなかで芽吹いて、やがてぞっとするほど優雅な花を咲かせるだろう。
――松家仁之(作家)


愛おしさ、愚かしさ、優しさ、酷たらしさ、善意と悪意、救済と断罪etc.
人間のすべてを知り尽くした作家、それがイーディス・パールマンだ。
――豊崎由美(書評家)


なにかを諦める。苦く、みじめで哀しい一瞬――それらひとつひとつを柔らかい布で磨きあげ、息を呑むほど美しい宝石に変えてしまう。人生の粋を極めた短篇集。
――倉本さおり(書評家)



本書は、原書Honeydewのうち蜜のように甘く』(亜紀書房、2020年刊行)に未収録の10篇を訳出した日本オリジナル版です。

ぜひあわせてお楽しみください。

 

(四六判並製/272頁)

 

著者紹介

イーディス・パールマン(Edith Pearlman)
1936年にロードアイランド州プロヴィデンスで生まれた。父親はロシア生まれの医師、母親はポーランド系アメリカ人で読書家だった。ラドクリフ女子大学では文学を学び、創作クラスを履修したが、1957年に卒業後、IBMのコンピュータ・プログラマーに。1967年に精神科医のチェスター・パールマンと結婚。マサチューセッツ州ブルックライン在住。成人した子どもがふたり、孫息子がひとりいる。
これまでに発表した短篇集は Vaquita(1996)、Love Among The Greats(2002)、How To Fall(2005)、Binocular Vision(2011。邦訳『双眼鏡からの眺め』早川書房、2013)、Honeydew(2015)の5作。本書は、Honeydewのうち、『蜜のように甘く』(亜紀書房、2020)に未収録の10篇を訳出した日本オリジナル版。

古屋 美登里(ふるや・みどり)
翻訳家。神奈川県平塚生まれ。早稲田大学卒。
著書に、『雑な読書』『楽な読書』(シンコーミュージック)。訳書に、イーディス・パールマン『双眼鏡からの眺め』、M・L・ステッドマン『海を照らす光』(以上、早川書房)、エドワード・ケアリー『飢渇の人エドワード・ケアリー短篇集』、『おちび』、〈アイアマンガー三部作〉『堆塵館』『穢れの町』『肺都』(以上、東京創元社)、デイヴィッド・マイケリス『スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝』、カール・ホフマン『人喰い ロックフェラー失踪事件』、デイヴィッド・フィンケル『帰還兵はなぜ自殺するのか』『兵士は戦場で何を見たのか』(以上、 亜紀書房)、ジュディ・カンター他『その名を暴け』(新潮社)、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風 景に見える』(講談社文庫)など多数。

 

 

発売日

2021年7月17日