災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか(亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ Ⅰ-7)

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内容紹介

「お互いに助け合い、秩序を持って行動する日本人の姿はすばらしい」と言われる。しかし、実は災害時のそうした行動は、日本人だけではなく、世界中で共通してみられるという。
著者のレベッカ・ソルニット氏は1989年にカリフォルニア州でロマ・プリータ地震に遭い被災している。その経験をもとに、1906年のサンフランシスコ地震から2005年に起きたニューオリンズのハリケーン被害までを取材・研究してまとめたのが本書である。
「大惨事に直面すると、人間は利己的になり、パニックに陥り、退行現象が起きて野蛮になるという一般的なイメージがあるがそれは真実とは程遠い」と著者は言う。「地震、爆撃、大嵐などの直後には緊迫した状況の中で誰もが利他的になり、自身や身内のみならず隣人や見も知らぬ人々に対してさえ、まず思いやりを示す」。災害時に形作られる即席のコミュニティは「地獄の中で」他人とつながりたいという、欲望よりも強い欲求の結果である。災害を例にとり、社会や人間心理の本質に迫っている。

【目次】
プロローグ──地獄へようこそ
第一章 ミレニアムの友情:サンフランシスコ地震
第二章 ハリファックスからハリウッドへ──大論争
第三章 カーニバルと革命──メキシコシティ大地震
第四章 変貌した都市:悲嘆と栄光のニューヨーク
第五章 ニューオリンズ──コモングラウンドと殺人者
エピローグ──廃墟の中の通り道

【編集部より】
本書は2010年12月の刊行ですが、2011年3月11日の東日本大震災以後、全国の書店から多くのご注文をいただくようになりました。また、新聞・雑誌・ブログ等で次々と本書が紹介されるようになりました。なんとも複雑な思いですが、このような時だからこそ、一人でも多くの方に読んでいただきたいという思いもあります。
また、著者のレベッカ・ソルニット氏は自身のホームページで、日本へのメッセージを発信しています。日本語訳付きです。
http://bit.ly/eQwe6Y

【書評・メディア情報】
2020年
月刊同朋(3月号)/紹介
東京新聞(3月1日)/『それを、真の名でよぶならば』書評内で紹介

著者紹介

レベッカ・ソルニット(Rebecca Solnit)
ノンフィクション作家。サンフランシスコ在住。代表作『River of Shadows:Eadweard Muybridge and the Technological Wild West』で全米批評家協会賞ならびにマーク・リントン歴史賞を受賞。『暗闇の中の希望――非暴力からはじまる新しい時代』(七つ森書館)ほか著書10冊。2003年にアメリカン・ラナン文学賞を受賞している。

高月園子(たかつき・そのこ)
東京女子大学文理学部史学学科卒業。在英25年。ラトル&ロビンソン『アフガン、たった一人の生還』(亜紀書房)、スチュワート『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』(白水社)、デュ・プレ姉弟『風のジャクリーヌ』(ショパン)、アヴィーソン『スプーン三杯の嫉妬』(ソニー・マガジンズ)など訳書多数。著書に『ロンドンはやめられない』ほか。