内容紹介
ヘイトクライムの構造と遺族の深い葛藤に肉薄するノンフィクション
2020年5月25日に米国で起きた「ジョージ・フロイド 殺人事件」にも連なる、無差別に“黒人”を狙った恐るべき無差別殺人事件を追う。
2015年、教会で黒人信徒が白人至上主義者の男に撃たれ、9人が死亡した。
だが事件後すぐ、被害者遺族は「神はあなたを赦す。私も赦す」と発言。
全米を席巻するニュースとなり、オバマ大統領(当時)が弔辞を捧げた。
事件当夜の犯行経緯を詳細にドキュメントし、かつ裁判の過程を追い、フェイク情報に煽られた「ヘイト」が孕む恐ろしさを描き出した一冊。
「77発の銃弾が9人を殺戮。戦慄の果ての希望とは」――『相模原事件とヘイトクライム』著者、世田谷区長・保坂展人
「家族を殺した男をあなたは赦せるか?」――『つけびの村』著者・高橋ユキ
(四六判上製/456頁)
著者紹介
ジェニファー・ベリー・ホーズ(Jennifer Berry Hawes)
米国サウスカロライナ州チャールストン在住。ルーズベルト大学シカゴ校卒業。
ピュリッツァー賞受賞の地元紙「ポスト・アンド・クーリエ」で十年以上記事を執筆。現在は同紙調査報道のプロジェクトチームに所属。
1994年に死刑となったアフリカ系アメリカ人少年の冤罪と真犯人が裕福な白人男性であることを示唆する記事で、自身も2019年にピュリッツァー賞最終候補にノミネートされる。
他にジョージ・ボルク賞、ナショナル・ヘッドライナー賞、トラウマに関する優良な報道に贈られるダート賞など受賞多数。
本書は2020年J・アンソニー・ルーカス書籍賞の候補となった。書籍は本書が第一作。
仁木 めぐみ(にき・めぐみ)
翻訳家。東京都出身。訳書にスー・クレボルド『息子が殺人犯になった』、デヴィッド・コンクリン『コンクリンさん、大江戸を食べつくす』(以上、亜紀書房)、オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』(光文社古典新訳文庫)、ヘレン・トムスン『9つの脳の不思議な物語』(文藝春秋)、ブロニー・ウェア『死ぬ瞬間の5つの後悔』(新潮社)、マーガレット・ヘファーナン『見て見ぬふりをする社会』(河出書房新社)など。
発売日
2020年7月31日