内容紹介
地下についてここまで現地調査を徹底的に行い、精神世界にまで深く踏み込んだ本は初めて読んだ。
地下世界は太古へつながる秘密のルートだったのか。
狂気にも似た、著者の執念に脱帽だ。
——ノンフィクション作家・高野秀行さん、推薦!
祖先たちがそうだったように、自分より偉大な何かに手を触れるため、秩序だった現実の向こう側にたどり着きたいという静かな欲望によって私たちは地下へ引き寄せられる……。
ニューヨークの地下鉄、パリの地下納骨堂、アボリジニの聖地、カッパドキアの地下都市、マヤ人洞窟など、世界中の「光なき世界」を渉猟し、人類の歴史と闇への畏怖に思いを馳せた比類なきノンフィクション。
【目次】
挨 拶 日本語版に寄せて
第1章 地下へ――隠されたニューヨーク
第2章 横断――パリの地下納骨堂
第3章 地球深部の微生物――NASAの野望
第4章 赤黄土を掘る鉱夫たち――アボリジニの聖域
第5章 穴を掘る人々――もぐら男とカッパドキア
第6章 迷う――方向感覚の喪失が生む力
第7章 ピレネー山脈の野牛像――旧石器時代のルネサンス
第8章 暗闇――「創世記」の闇と意識変容
第9章 儀式――雨を求め地下に下りたマヤ人
(四六判並製/296頁)