日本が壊れる前に 「貧困」の現場から見えるネオリベの構造

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内容紹介


学費のため風俗に走る女子大生、貧困地域で蔓延する主婦の売春、低賃金で部品のように働かされる介護現場。
——「貧困」は社会のいちばん弱い部分を直撃する。


バブル崩壊から日本社会は転げ落ちはじめた。
終身雇用、労働組合のあり方、すべてが時代遅れとされ、ネオリベ(新自由主義)と自己責任論が社会を席捲した。

そこで犠牲になったのは、主に女性たちと若者。
そして、いま中年男性が狙われている。


国が決めたマクロな政策はときに末端の人々を壮絶な現実に陥れる。
——衰退途上国で、次に堕ちるのは、中年の男たちだ。

衰退途上国・日本の現状を徹底討論したノンフィクションライターと政治学者による平成30年史。そして未来は?



【目次】
プロローグ
1 コロナ禍が浮き彫りにした見たくなかった現実
2 コロナがなければ、中年男性が死ぬはずだった
3 どうして団塊の世代だけが恵まれるのか
4 分断をこえて、ポストコロナを生きる

 

(四六判並製/208頁)

 

 

著者紹介

中村 淳彦(なかむら・あつひこ)
1972年生まれ。ノンフィクションライター。AV女優や風俗、介護などの現場をフィールドワークとして取材・執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、さまざまな過酷な現場の話にひたすら耳を傾け続けている。『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)はニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートされた。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島新書)、『日本の貧困女子』(SB新書)、『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)など多数がある。また『名前のない女たち』シリーズは劇場映画化もされている。

藤井 達夫(ふじい・たつお)
1973年生まれ。早稲田大学院政治学研究科政治学専攻博士後期課程退学(単位取得)。現在、早稲田大学大学院、立教大学ほかで非常勤講師として教鞭をとる。専門は、西洋政治思想および現代政治理論。近年は、行き詰まりつつある代表制民主主義の先を見据えた民主主義の新たな構想について研究を進めている。著書に『平成の正体』(イースト新書)、『公共性の政治理論』(共著、ナカニシヤ出版)、翻訳に『熟議民主主義ハンドブック』(共訳、現代人文社)などがある。

 

発売日

2020年11月18日