言の葉の森 日本の恋の歌

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内容紹介

何かを偶然共有するというよりも、手を繫ぐようにして、私たちは同じものを持つ。
言葉が違っても、国が違っても。――最果タヒ



太宰治や宮沢賢治、茨木のり子、最果タヒ、崔実などの作品を手がける韓国の人気翻訳家が「日本の恋の歌」をめぐって綴る情感ゆたかなエッセイ。

小野小町、紫式部、清少納言、伊勢、和泉式部……が詠んだ熱烈で芳潤な65首をモチーフに、二つの言語の間を行き来しながら日々の生活や仕事について描く。



君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ
그대 위하여 봄 들판으로 나가 어린 순 뜯네 나의 옷소매에는 눈송이 흩날리고

〈百人一首や古今和歌集の三十一文字の世界を日本語と韓国語の両言語で併記〉


千年の時と国境を超え、〈恋の歌〉が今もなお瑞々しく響く。
韓国の人気翻訳家による65首の和歌をめぐる情感ゆたかなエッセイ。





【目次】
■序文 二つの言語を行き来する旅
■一章 言の葉の森で
■二章 翻訳家の仕事場
■三章 孤独を応援します
■四章 悲しみではなく、愛

■日本の読者の皆さんへ
■訳者あとがき

 

(四六判並製/240頁)

 

 

著者紹介

チョン・スユン(鄭修阭)
1979 年ソウルに生まれる。作家、翻訳家。大学卒業後いくつかの職を経た後、早稲田大学大学院文学研究科で修士号を取得した。訳書に太宰治全集、茨木のり子詩集、宮沢賢治『春と修羅』、大江健三郎『読む人間』、井上ひさし『父と暮せば』、若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』、崔実『ジニのパズル』、最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』、凪良ゆう『流浪の月』など、著書に長篇童話『蚊の少女』がある。

吉川 凪(よしかわ・なぎ)
大阪市生まれ。新聞社勤務を経て韓国に留学し、仁荷大学国文科大学院で韓国近代文学を専攻。文学博士。キム・ヨンハ『殺人者の記憶法』(クオン)の翻訳で、第4 回日本翻訳大賞を受賞。著書に『京城のダダ、東京のダダ―高漢容と仲間たち』(平凡社)、訳書にチョン・セラン『アンダー、サンダー、テンダー』、崔仁勲『広場』、朴景利『土地』(以上クオン)、チョン・ソヨン『となりのヨンヒさん』(集英社)など多数ある。

 

発売日

2021年11月17日