賢人と奴隷とバカ

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内容紹介

「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」

「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」
時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。
資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現況を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。

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◆「中立」の立場から差別する過激中道[エキセントリック・センター]
◆ 平等を求める動きへのシニシズム
◆ 格差と対立を無視し、円滑な社会運営を志す「秩序派」
◆ 愚かな群衆に囲まれていると感じるリベラル知識人のナルシズム

知的ソースをあげて、スマートに切って捨てる態度、利得と犠牲の計算のような知的操作で、割り切ってみせる態度は根本的には、この世界とは別の世界にむかう衝動や想像力にむけられているようにおもわれるのである。

〈支配する知ではなく、解放する知を求めて〉
──私たちが生き延びるための唯一の方法はデモクラシーを深化させることである。

 

(四六判並製/448頁)

 

著者紹介

酒井 隆史(さかい・たかし)
大阪公立大学教員。専門は社会思想史、都市社会論。主要著作に『通天閣―新・日本資本主義発達史』(青土社、2011年)、『完全版 自由論―現在性の系譜学』(河出文庫、2019年)、『暴力の哲学』(河出文庫、2016年)、『ブルシット・ジョブの謎』(講談社現代新書、2021年)。訳書に、ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』洛北出版、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』岩波書店(共訳)、『官僚制のユートピア―テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』以文社、『負債論―貨幣と暴力の5000年』以文社(監訳)、マイク・デイヴィス『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』明石書店(監訳)、デヴィッド・ウェングロウ、デヴィッド・グレーバー『万物の黎明』光文社(近刊)など。

 

発売日

2023年4月5日