エディ、あるいはアシュリー(となりの国のものがたり11)

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内容紹介

「さて、エディ。こう呼ばれたいなって思う名前はあるの?」
「アシュリー」

本当はそんな名前、考えたこともなかった。〈自分は男じゃないらしい〉という認識は、〈どうも女性のようだ〉とは直結していなかったからだ。それなのに訊かれたら口をついて出た。アシュリーは子どもの頃に可愛がって大切にしていたぬいぐるみだ。
(「エディ、あるいはアシュリー」より)

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性の多様性。移民。失われた日々。喪失。再生。暴力……。
どこにでもあるリアルな世界を、時を越え、現実と幻想とを自由に行き来しながら、未来と希望を信じて描いた短編集。

ジェンダー・アイデンティティの不確かさを自らに問いかける表題作「エディ、あるいはアシュリー」、第63回現代文学賞受賞作「相続」など8作品を収録。

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避けようのない過酷な現実と、その先にある柔らかな希望……。
韓国ファンタジー界の旗手が織りなす物語のタペストリー8編。


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【目次】
■レオニー
■エディ、あるいはアシュリー
■海馬と扁桃体
■正常人
■木の追撃者 ドン・サパテロの冒険
■へその唇、嚙みつく歯
■相続
■メイゼル

■あとがき
■訳者あとがき

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(四六判並製/256頁)

 

著者紹介

キム・ソンジュン
1975年ソウル生まれ。明知大学文芸創作学科卒業。2008年に短編「わたしの椅子を返してください」で中央新人文学賞を受賞し、デビュー。2010年から3年連続で若い作家賞を受賞し、期待の作家として頭角を現す。2018年に「相続」(本書収録)で第63回現代文学賞を受賞。邦訳された作品に「火星の子」(斎藤真理子訳、『ヒョンナムオッパへ』所収、白水社)、「未来は長く続く」(斎藤真理子訳、『覚醒するシスターフッド』所収、河出書房新社)がある。

 

発売日

2023年8月9日