◤推薦◢ 牟田都子(修正者)
「本が人間よりも長く生きるためには、鈴木さんのような人が必要なのだ。」
良書は巡る、バトンのように
名古屋・今池の古本屋店主が綴る、本と人の20年。
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ぶらりと立ち寄るご近所さんから、学生などの若い世代、作家やクリエイター、大学の研究者まで、さまざまな人が訪れる町の古本屋・シマウマ書房。
活字離れといわれる昨今だが、新刊書店や図書館とはまた別の角度から、本と読者をつなぐ役割を担っている。日々の仕事のなかで多くの書物や人と接し、見て、考えてきた店主が、本の豊かな魅力、読書の醍醐味、活字文化のこれからを綴ったエッセイ集。
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【本文より】
日常ということでいうならば、町の古本屋としてのシマウマ書房の日常は、とかく地味な仕事の繰り返しである。いつも同じ場所にいて、雨の日も風の日も決まった時間に店内。来るとは限らない。ただし、買い取りをした個払い、値段をつけて棚に並べる。注文が入れば梱包して発送する。いつもそれだけのこと。でも、それを意識とは感じていない。何か毎日の繰り返しにこそ、意味があると思っている。
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【目次】
ⅰ古本屋の日々
- 浜辺にて
- 古本の取り買い
- 小さな循環
- 遠方からの注文
- レジの知識
- 本棚のある生活
- 振り子の人
- 郵送と注文
- 本の感触
- いつか読み思いながら
- ページに挟まれた切符
- 列車ニテ読ム
- Aさんの『郷愁』
- 星を売る人々
- 「万置き」イベント
- 古本屋の匂い
- AIの時代
- 頭のなかの地図
- 機が熟す
- 夏の終わりに
Ⅱ 本をつなぐ
- 本屋の癒しさ
- 偶然の読書
- ドイツの二人
- 影との対話
- 日記のなかの時間
- 栞を挟む
- こよりを撚る
- 読書の「あるある」ネタ
- 言葉は空を、書は留まる
- ランプと銭湯
- 小さな明かり
- 揺れる日々
- 本棚の向こう側
- くじ
- 縞模様
- 手のひらほどの庭
- ウミガメのシルエット
- 正義と倫理
- 読むことの科学
ⅲ 生活と読書
- 家族について
- 子供たち
- 本を読み始めた頃
- 土のなかのスプーン
- 長針と短針
- 仮設住宅と猫たち
- 本の虫養い
- 本の本たる所以は
- 歴史と日常
- あこがれの詩人
- 文字を刻む
- おばあちゃんの田舎とリンゴの木
- 栗の木とスズメバチ
- 思い出の一ページ
- 年の瀬に
- 思いつくまま
あとがき
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【著者紹介】
鈴木創(すずき・はじめ)
1973年、東京都生まれ。
2006年に名古屋市千種区の本山で古書店「シマウマ書房」を開業。
2019年に店舗を移転、現在は千種区の今池で営業をしている。
2014年より朝日新聞(東海・地域面)にてコラム「本の虫」を連載中。
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- 四六判・並製/256頁
- 2025年12月9日発売