当事者でない人間が、真実を眼差し、語ることはできないだろうか。
現代社会において、深く傷つけられた〈見る力〉の再生のために、
人類学者/批評家が贈る「思索の旅」。
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デジタル時代を生きる私たちは、世界で起こる惨禍に対してスマホ越しの傍観者/観客となり、AIによるフェイク画像に踊らされながら、出来事の表層をなぞり続けている……
敵味方の構図から離れ、善悪の彼岸に立って戦争の本質を、人間の業を〈見た〉画家ゴヤ。
ゴヤの視線を傍らに、いまこの世界をまなざし再び「真実」と共に生きるための15篇。
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【目次】
I 〈見ること〉の未来 その(かすかな)希望
- 「映画」を閉じて──ビクトル・エリセ「最期」の映画
- ゴヤは我らが同時代人──トロイアの詩人たちへ
- オ・テージョは小さな希望を囁いた──リスボン日記
- もの言わぬ請願者たちへの眼差し──追悼 セバスチャン・サルガド
- 原爆の第二の目撃のために
- ガルシア゠ロルカの群島──サバルタンな声の響鳴体
Ⅱ 〈見た〉者たち同時代を証言する
- 魂の呼応について──追悼 真木悠介
- 二つの井戸、二つの風
- 挑発者(フリムン)、難破者(ユリムン)、無名者(ウーティス)──琉球弧のことばを求めて
- 夢通いの涯てで──追悼 川満信一
Ⅲ 沈黙への手紙──見ることは聴くこと
- ジャカランダ色のギター──ジョアン・ジルベルトへ
- マイヌンビの森からの手紙──シルビア・イリオンドへ
- オルフェウの受胎──ブラジルのサウダージへ
後記
初出一覧
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【著者】今福龍太(いまふく・りゅうた)
文化人類学者・批評家。東京外国語大学名誉教授。メキシコ、環カリブ海、米墨国境地帯、ブラジルなどでフィールドワークを重ねる。2002年より遊動的な野外学舎〈奄美自由大学〉を主宰。著書に『ここではない場所』『ミニマ・グラシア』『薄墨色の文法』『ジェロニモたちの方舟』(以上、岩波書店)、『レヴィ=ストロース 夜と音楽』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(讀売文学賞受賞)『霧のコミューン』(以上、みすず書房)、『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(新潮選書)、『原写真論』(赤々舎)、『ぼくの昆虫学の先生たちへ』(筑摩選書)、『言葉以前の哲学 戸井田道三論』(新泉社)、『仮面考』(亜紀書房)、『私という群島』(平凡社ライブラリー)など多数。主著『クレオール主義』『群島-世界論』を含む著作集『今福龍太コレクション《パルティータ》』(全五巻、水声社)が2018年に完結。
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発売日:2026年7月24日
四六判・並製/320頁