内容紹介
沈黙を抱える者たちの視線が交差し、気高い光を放つ。
胸に刻まれたその残像が、今も消えない。 ——小川洋子推薦!
戦争で夫を亡くし、足のケアサロンを営むペイジ。
斜向かいに住む大学教師ベンの密かな楽しみは、ペイジの生活の一部始終を観察することだった。
ある日ベンは、意を決し初めて店を訪れる。
足を洗ってもらっているあいだに、ひとり語りを始め、忘れ得ぬ事故のことを打ち明けるベン。
悲惨な体験を通して、孤独な二人の心は結びつくのだが……(「初心」)。
79歳の作家が贈る、全10篇の濃密な小説世界。
「世界最高の短編作家」(ロンドン・タイムス)
「現存する最高のアメリカ作家による、最高傑作集」(ボストン・グローブ紙)
——なんとまあ大袈裟な、と思う方は、是非とも本書を読んで確認していただきたい(古屋美登里)
(四六判並製/232頁)
本書は、原書Honeydewのうち『幸いなるハリー』(亜紀書房、2021年刊行)に未収録の10篇を訳出した日本オリジナル版です。
ぜひあわせてお楽しみください。
著者紹介
イーディス・パールマン(Edith Pearlman)
1936年にロードアイランド州プロヴィデンスで生まれた。父親はロシア生まれの医師、母親はポーランド系アメリカ人で読書家だった。
ラドクリフ女子大学では文学を学び、創作クラスを履修したが、1957年に卒業後、IBMのコンピュータ・プログラマーに。1967年に精神科医のチェスター・パールマンと結婚。マサチューセッツ州ブルックライン在住。成人した子どもがふたり、孫息子がひとりいる。
これまでに発表した短篇集はVaquita(1996)、Love Among The Greats(2002)、How To Fall(2005)、Binocular Vision (2011。邦訳『双眼鏡からの眺め』早川書房、2013)、Honeydew (2015)の5作。本書は、Honeydewのうち、10篇を訳出した日本オリジナル版。
古屋美登里 (ふるや・みどり)
翻訳家。神奈川県平塚生まれ。早稲田大学卒。
著書に、『雑な読書』『楽な読書』(シンコーミュージック)。訳書に、イーディス・パールマン『双眼鏡からの眺め』、 M・L・ ステッドマン『海を照らす光』(以上、早川書房)、エドワード・ケアリー『おちび 』、 〈アイアマンガー三部作〉『堆塵館』『穢れ の町』『肺都』(以上、東京創元社)、デイヴィッド・マイケリス『スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝』、カール・ホフマン『人喰い ロックフェラー失踪事件』、デイヴィッド・フィンケル『帰還兵はなぜ自殺するのか』『兵士は戦場で何を見たのか』(以上亜紀書房)、ダニエル・タメット『ぼくには数字が 風景に見える』(講談社文庫)など多数。
発売日
2020年5月26日